今の日本に建築の是非を問われているものがあります。
それは統合型IRリゾートと呼ばれるもので、その一番の目玉は何と言ってもカジノです。
アメリカのラスベガスや中国のマカオ、それにシンガポールと世界各国には多くの統合型IRリゾートがありますが、それを日本でも実現しようというのが最近の傾向です。
ただ、推進派の意見の根本的にあるものは来客者がお金を落としていってくれる事への経済効果と、働き口が増えるという事にへの失業率削減効果です。

 

カジノ施設を作れば確実に儲かるのか？

ただこれは未知数でもあり、慎重な議論が必要です。
理由はカジノ施設を作れば確実に儲かるのかと言うと、答えはNOで、利益が見込めずに閉鎖を余儀なくされた施設は幾つもあります。
民間主導であればまだいいのですが、中には日本と同じように国や地方自治体が主導して建設運営し、ダメになってしまったところもあるのです。
民間であれば、民間の財布から支出されますのでいいのですが、国や地方自治体の場合、失敗のツケは税金という名の国民負担となって跳ね返ってきますので損失による影響は大きく計り知れません。
だからこそ国民的な議論が必要で、本当に統合型IR施設が必要か否かを個人が考えなければならないのです。

 

IR施設とカジノは別の話

テレビニュースを見るとカジノ、あるいは統合型ＩＲ施設という単語が飛び交いますが、この２つは似て非なるものですので混ざらないように注意が必要です。
特に後者は、カジノ施設にホテルやエンターテイメント系、例えば映画館や美術館、ボクシングやプロレスなどの興行を行う事ができるもの、ホテルなどの宿泊施設、そして大型のショッピングセンターなどを併設して相乗効果を狙っていくものです。
確かにずっとギャンブルばかりやってしまってはいくら好きとはいえ飽きがきてしまうものですし、家族と来場するのであれば、そのほうが都合がいい事もあげられます。

 

日本で統合型IRリゾートを誘致している都市

日本で統合型IRリゾートを誘致しているのは、公式、非公式を含めいくつかの自治体があげられます。
正式に知事が表明したところは横浜が有名です。
近くにはチャイナタウンや山下公園などの港湾公園、西洋を意識した街並みは美しく毎年一定数の観光客が見込める事ができる場所です。
そこに新たに観光の目玉として新設する事で収入を増やそうというわけですが、あたり一帯をとりしきるまとめ役の方が反対、それも猛烈な反対に回った事で、混とんとしていますが、果たしてどうなる事でしょう。

 

ギャンブル依存症の問題

忘れてはいけないのが、ギャンブル依存症の問題です。
日本には競馬にパチンコとギャンブルがたくさんあり、依存症をうみやすい環境です。
そこに更に依存症が増えてしまう事への懸念があります。
正直いって今更1つ増えても大した事はないのかもしれませんが、反対派はそこを懸念しています。

 

国からの補助金や税金収入があがる

地方自治体にとっては国からの補助金や税金収入があがる事への期待があります。
人口減少や都会への流出によって地方自治体は厳しい財政状態にあるところも少なくありません。
それを一気に解消する事ができるかもしれないカジノは大いに魅力があります。
少し原子力発電所の誘致と同じような構図となっています。
ただどこにでも造ればいいというものではなく、アクセスがよく他にも観光できるような場所が近くにあるなど場所は大いに限られる事となり、難しいところです。

 

まとめ

世界を見渡せば統合型ＩＲリゾートで成功しているところとしていない所の２つに分類する事ができます。
ラスベガスやマカオなどは最も成功している施設と言えるでしょう。
もし仮にやるのであればそういった施設を見習って、長い期間日本で運営できるほどのノウハウと知恵をもって建設していただきたいですね。
くれぐれも箱ものだけつくって税金を垂れ流すのだけは勘弁して欲しいものです。