カジノゲームの一つにクラップスと呼ばれるゲームがあります。
これは日本ではほとんど知られていませんし、実際に遊んだことがあるという人もほぼいないでしょうが、欧米ではかなり人気のあるゲームです。
多くの人が一緒に盛り上がることができるという特徴があり、それまで見ず知らずであった人どうしでも簡単に仲良くなることができるからでしょう。
クラップスのルールと遊び方
このゲームは2個のダイスを使います。
ゲームの基本を簡単に言えば、その2個のダイスの出目の合計が、予め決めておいた数字になるか、それとも7になるかを競うというものです。
このダイスは、賭けに参加している人自身が実際に振ることも可能で、その人はシューターと呼ばれます。
予め決めておいた数字が出ればシューターの勝ちとなる一方、7が出ればシューターの負けになります。
もちろん、1回の振りでそのどちらかの目が出る可能性は高くありません。
ですので、決着が着くまで何回でもダイスを振ることになります。
このため、その目が出ることを全員で一緒に念じることになり、場の盛り上がりが期待できるわけです。
予め決めておいた数字とはどのようにして決められるのか?
さて、では予め決めておいた数字とはどのようにして決められるのかということが気になりますが、これはある意味で簡単で、最初に1回ダイスを振って決めるのです。
最初のダイスの目が例えば4と5であれば合計9となり、9が予め決めておいた数字となるわけです。
2回目以降、ダイスの目が9になればシューターの勝ちであり、7が出ればシューターの負けになります。
ルールの骨子は以上ですが、ちょっと考えるとこれだけではカジノゲームとして成立しがたいことが分かるでしょう。
少しでも確率のことを知っている人であれば常識レベルの話ですが、ダイス2個を振って最も出やすいのは合計7です。
2と12は最も出にくい数字ですし、6や8であっても7よりは出にくいです。
7が出ればシューターの負けとなるルールでは、ダイスを振る前からシューターが明らかに不利になってしまっているわけです。
クラップスでは追加のルールが定められている
しかも、1回目に出た目が予め決めておいた数字となるルールでは、1回目に7が出たらどうなるのでしょうか。
2回目以降、勝負の決着がつかなくなってしまいます。
これらの問題に対処するため、クラップスでは追加のルールが定められています。
それは、1回目のダイスを振った際に、合計が7か11になれば即座にシューターの勝ちとし、一方で2か3か12が出れば即座にシューターの負けとするというルールです。
この追加ルールによって、先ほど挙げた懸念点は解消されていることが分かるでしょう。
1回目に7が出れば即座にシューターの勝ちなのですから、7が予め決めておいた数字となることをしっかりと回避しています。
また、7以外の数字は7に比べると出にくいわけで、その点だけを捉えるとクラップスはシューターに不利なゲームであるわけですが、1回目に7が出ると即座にシューターの勝ちとすることでバランスを取っています。
2か3か12が出ればシューターの負けですが、これらの数字が出る確率は、7か11か出る確率と比べれば格段に低いため、全体として見事にバランスが取れているのです。
まとめ
また、副次的なメリットとして、2や3、11や12といった数字はかなり出にくいため、それが予め決めておいた数字になってしまうと2回目以降、7が出るよりも先にそれらの数字が出るようなことは相当に望み薄であり、シューターに取っては半ば諦めモードの消化試合のようになってしまうかもしれません。
そういう白けた状況になることを避け、7ほどではないけれどもその目が出ることも十分に期待できるという数字のみが予め決めたものになるという意味合いも含んでいるのです。